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確定申告書で確認しておきたい3つのポイント

W先生
昨年アルバイトを始めたため、初めて確定申告をしたのですが、確定申告書の見方がわからず、正しく申告ができているかわかりません。
また、税金が高いので何か対策はできないでしょうか?
W様プロフィール
29歳
整形外科勤務医

吉田
私は確定申告書をお預かりした際に、まず以下の3つのポイントを確認するようにしています。
まずはこの3つのポイントから確認してみてください。

①所得金額の欄をチェック

私たちがここでチェックしているのは給与以外の所得の有無です。
特に事業所得や不動産所得のある方であれば、すぐに実行できる節税方法の選択肢が増えるため、まずそれらの項目に数値が入っていないか確認するようにしています。
また、所得の高さによっても取るべき対策が違ってきますので、所得金額もあわせて確認を行っています。

②所得から差し引かれる金額の欄をチェック

この項目からは、公的制度を活用した税金対策にどの程度取り組まれているのかを見ています。
特に、⑪小規模企業共済等掛け金控除と㉔寄付金控除、右側の住宅借入金等特別控除の欄を見て、確定拠出年金やふるさと納税といった基本的な税金対策の取り組み状況を確認しています。特に申告書の右側は税額控除となるため、左側の所得控除の倍程度の節税効果が期待できますので、控除できるものを正確に申告できているかを確認しておきましょう。

③青色申告をしているかチェック

この項目を見て、青色申告にされているかを確認し、白色申告の場合は、青色申告にできる可能性はないのかを見ています。
青色申告のメリットは65万円、55万円、10万円いずれかの特別控除を受けられるという点です。事業所得、不動産所得、山林所得のある方は青色申告にすることができ、勤務医の方でも、例えば投資用不動産から家賃収入を得ている場合や、執筆や講演などを継続的に行っている方など、青色申告ができるケースもよくあります。そのために必要な手続きは、税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出するだけです。
65万円の特別控除を受けられるのは、事業所得がある場合、もしくは事業的規模(5棟もしくは10室以上)で不動産事業を行っている人に限られる上に、複式簿記で帳簿をつけなければならないなどとても難しそうですが、最近は会計ソフトがかなり使いやすくなっているため、税金に関する知識がない人でも、十分に行えるようになっています。2014年以降、白色申告でも簡易帳簿を付けることが必須となったため、10万円の特別控除であれば、大幅に申告の手間を増やすことなくチャレンジすることが可能です。条件を満たされている方は、青色申告を行う年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出しておくようにしましょう。
青色申告にすることにより、専従者給与の支払い(別途、青色事業専従者給与に関する届出書の提出が必要)や、オフィスとした自宅の家賃や光熱費の一部を経費とすることも可能になり、税金対策の選択肢が増えます。しかし、稀にその金額と仕事内容が見合わないと思われることがあり、租税回避ととられて税務調査の対象となってしまったというお話も聞いたことがあります。専従者給与を支払ったり、経費を出したりする際には、専門家のアドバイスをもとに行われることをお勧めします。

まとめ

開業医など、事業をされている方であれば、経費の出し方など見るべきポイントは多くあるのですが、正直給与所得のみの方の申告書の見るべきポイントは多くありません。
W様の場合は、給与所得のみで、既に取り組まれていたiDeCoとふるさと納税に関してはきちんと申告できていましたので、現在は更なる節税を目指すために、青色申告の要件を満たすための取り組みを検討されている段階です。

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