勤務医でもできる節税方法と考えるべき順番とは!?

Y先生
勤務医でもできる節税について教えてください。
Y様プロフィール
35歳
年収1500万円
産婦人科勤務医

吉田
節税を考えるにあたり、検討する順番が重要です。比較的リスクが低く、効果が期待できる順番に並べると以下のようになります。

① 公的制度の検討

所得の高い給与所得者にとって、公的制度を活用することによって得られるメリットを軽視することはできません。給与所得者でも活用できる手法がそもそも多くないという理由もありますが、税率が高い人の方が、節税効果が高くなるものが多いためです。例えば、所得控除となる、確定拠出年金やふるさと納税などは、所得の高い人の方が圧倒的にそのメリットは大きくなります。まずは、公的制度の中でまだ取り組めていないものがあれば、それから始めてみることをお勧めします。

② 税率の低いところで受け取る

同じ金額を受け取ったとしても、税金が変わることがあります。代表的なものとして、退職金にかかる税金や、法人税などは、通常の給与所得にかかる所得税・住民税よりも税率が低くなります。つまり、税率が低いところで受け取れるようにすることで大きな節税効果を得られるのです。
退職金を例にその効果を見てみましょう。
退職所得は、以下の計算式で求められます。
(退職金-退職所得控除)×1/2
給与所得の計算式と比較すると、勤務年数に応じた退職所得控除(勤続20年以下は40万円×勤続年数、20年超は800万円 + 70万円 × (勤続年数- 20年))と1/2の掛け目があるため、退職金として受け取ることにより、その繰り延べた部分にかかる税金を半分以下に圧縮することができるのです。
特に、Y様のように個人経営のクリニックにお勤めの方の場合、退職金制度が整っていない場合が多いのですが、小さなクリニックだからこそ柔軟に対応してもらえるケースもあるようです。勤務先(法人)の協力によって増える選択肢もありますので、一度ご勤務先に相談されてみるのも良いのではないでしょうか。

③ 損益通算を利用する

給与所得者が損益通算することが出来る主な所得は不動産所得と事業所得です。他にも譲渡所得や山林所得も損益通算が可能ですが、あまりされている方は多くないため今回は前述の2つに絞ってご説明します。
損益通算とは、ある所得の利益と、他の所得の損失を足し算して課税所得を圧縮させる際に用いられる手法で、よく使われるのが減価償却を伴う所得(例えば不動産賃貸業や太陽光やコンテナ等償却資産等を用いたリース業)で発生した損失を事業所得等と足し算する方法です。これが、医師の方で不動産や太陽光に投資をされている方が多い理由の一つです。
ただし、一つ気を付けておかなければならないのは、一昨年にも海外不動産を用いた節税スキームにおける損益通算が出来なくなるという報道もありましたが、そのようにこの減価償却に関わる税法改正は頻繁に行われているという点です。
損益通算を利用して節税を考える場合には、節税以外の目的も持って始められると良いでしょう。

④ 所得を分散させる

事業が軌道に乗り、安定的に利益が出るようになると、その利益をご自身だけではなく、配偶者等と分けて受け取ることで節税することも可能です。これは法人を作って役員報酬を出すという方法や、個人事業の青色専従者にするという方法などがあります。
その他にも、②でお伝えした退職金を、法人保険を使って積み立て、今と未来とで所得を分散させるという方法もあります。
その報酬設定に関しては、その人に任せる役割や仕事によって異なるため、このスキームを用いる場合には専門家に相談されたうえで始められることをお勧めします。

まとめ

勤務医が節税するには法人を作るしかないのかといったご質問もよく受けますが、意外とリスクの低いものが手付かずになっているケースもよくあります。まずは公的な制度から検討を始めてみてください。

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