法人を活用した節税に成功している医師が押さえている3つのポイント

Y先生
チュートリアル徳井さんの一件でも話題になっていましたが、なぜ所得が高くなると法人を作ったほうが良いと言われているのでしょうか?法人を作ることがなぜ節税になるのか、その仕組み、注意すべき点について教えてください。

 

Y様プロフィール
45歳
麻酔科医(フリーランス)
年収4000万円

吉田
法人設立は主に以下の3つの差を利用した合法的な節税スキームです。

所得税と法人税の違い

法人をつくると節税できると言われている最も大きな理由に、一般的に所得税より法人税の方が税率が低いことが挙げられます。
Y先生も、税金や社会保険料を引くと給与額面の半分程度しか残らないとおっしゃっていましたが、課税所得が4000万円を超えると所得税・住民税が合計で55%の税金がかかります。一方で法人の実効税率は約33%です。さらに、法人の利益が800万円以下であれば、税率は約25%程度まで下がりますし、Y様もように現在国民健康保険・国民年金の加入者である方が法人の代表となって社会保険に加入すれば社会保険料が大幅に安くなる場合もあります。(ただし、役員報酬を低めに設定しなければ効果が薄い場合もあります。)
つまり、個人で課税所得が3000万円の人は、約1500万円の税金がかかるのに対して、3000万円の利益が残った法人は、約1000万円の法人税がかかる計算になり、これだけでも500万円の差が生まれます。
この所得税と法人税の差を利用するのが1つ目のポイントです。

累進課税と所得分散の仕組み

例えば課税所得4000万円の方にかかる所得税・住民税は、合計で約1720万円です。一方で課税所得2000万円の方にかかる所得税・住民税は約720万円と、4000万円の方の40%程度になります。このように所得を分けることができれば、トータルで課税される税金は少なくなるわけです。
法人を作ることで、個人の財布と法人の財布という形で所得が分散できます。中には配偶者やお子様などにも給与を出せる仕組みを作られて、3つ、4つ…と財布を分散されている方もいらっしゃいます。

また、チュートリアルの徳井さんのように個人事業主であった人が、法人を作ることで社会保険料が安くなるという効果もあります(徳井さんの場合は社会保険も未加入だったようですが…)。

個人事業主が加入する国民健康保険は収入に比例して保険料が上がりますが、その保険料を安くしたいと考えた際に行える手立ては主に健康保険組合に加入するか、会社を作って保険料の計算の基になる給与の設定を低くするかの2通りです。

医師・歯科医師の方であれば、医師国保や歯科医師国保などに加入されている方も多いですし(ただし医師会・歯科医師会に加入する必要があるなど諸条件あり)、会社を作って例えば役員報酬を月10万円などと安く設定した場合、年間の社会保険料は年間20万円程度まで下げることができるのです。

後者の方法では、個人事業でいくら収入を得てもそれに対して社会保険料が課されることはないため大幅に手取り額を増やすことができるわけです。(ただし、残念ながら給与所得を得ている社会保険加入者は全ての給与所得を合算した金額に対して社会保険料が課されるため、この方法は使えません。)

このように所得分散を上手に活用するのが2つ目のポイントです。

課税されるタイミングの違い

個人と法人では課税されるタイミングが違います。
例えばY様がお仕事専用に20万円のパソコンを買われたと仮定しましょう。
個人の状態であれば、その20万円は所得税・住民税が引かれた後に残った資金の中から支払われているかと思います。しかし、法人であれば、あくまでもお仕事専用である前提ですが、法人税を課税される前に経費として課税所得から差し引くことができます。つまり、上手に経費を計上することにより、課税所得を根本から圧縮することができるのです。
もちろん、今回問題に挙がっていたような私的な衣服や旅行代などを経費とすることは認められませんが、その法人を運営していくために必要となる費用を経費とすることは法人の経営者に合法的に認められている権利です。
このように経費を上手に活用することが3つ目のポイントとなります。

医師特有の注意点

これら3つのポイントを押さえて、上手に税金をコントロールされている方は多いのですが、医師の方の場合、1つ押さえておくべき注意点が存在します。
それは、医療行為に基づく報酬を株式会社や合同会社などの営利法人で受け取ることはできないという点です。つまり、Y様も4000万円のご所得を個人と法人で2000万円ずつに分けて…、とりあえずアルバイト代は全部法人で受け取って…などと考えるのは、税務調査が入った際にその根拠を説明することができないため、非常に危険です。節税以外に法人設立の目的や事業内容(非営利事業はNG)を必ず設定した上で、専門家と相談しながら法人設立を検討されることをお勧めします。

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