法人保険の活用法~法人保険に加入するメリットとは!?~

N先生
勤務医ですが、妻がMS法人の代表をしており、私もその会社の役員になっています。法人保険を使うと良いらしいと聞いたのですが、法人保険とはどのようなもので、加入することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?
N様プロフィール
55歳
内科勤務医
世帯年収 約2,500万円
奥様(MS法人代表)

吉田
法人保険という名前の保険があるのではなく、一般的に法人を契約者、その役員を被保険者とする生命保険や医療保険が法人保険と呼ばれているものです。

N様の場合、現在奥様が代表を勤められている法人は、元々奥様のお父様が営まれていた眼科医院(現在はお兄様が経営中)のMS法人で、お兄様が医院を相続継承された際に、奥様がお母様から代表を継承されたもので、コンタクトレンズをはじめとする医薬関連商品の販売をメインにされているとのことでした。既に10年以上続いているこのMS法人を利用して法人保険に加入することにより、N様そして奥様は、以下の2つのメリットが享受できるであろうと考えられます。

メリット①退職金を積み立てられる

個人クリニック勤務のN様も、奥様も、退職金はほとんど期待できないとのことでしたので、法人保険を活用することで、N様と奥様の退職金を準備されることをお勧めします。
退職金の上限額は、最終役員報酬月額×在籍年数×功績倍率+功労加算となりますので、希望する退職金額がこの上限額を超えないよう計画的に役員報酬を見直されることをお勧めします。
給与所得ではなく、退職所得として受け取ることにより、節税効果も見込めます。
例えば5000万円の給与を受け取ると、何も対策を講じていなければ約2000万円もの所得税・住民税が課されますが、勤続30年の方が5000万円の退職金を受け取った場合の税金は約600万円となります。このように、退職金として受け取れるようにすることで、税金面で非常に大きなメリットがあるのです。

メリット②法人税の節税につながる

2019年2月の国税庁通達以降、節税を主目的とした法人保険は姿を消し、残った保険の節税効果は以前ほどではありませんが、法人で拠出する保険料の一部は経費として計上することが認められているため、法人税の節税をしながら、先述の退職金を積み立てることが可能です。
退職金目的で活用することの多い長期平準定期保険には、その最高返戻率によって比率は異なりますが、掛け金の4割程度を損金として計上できる商品が多くあります。
奥様が代表のMS法人では、役員報酬をあえて少なめに設定されているため、多くの利益が貯まっているようです。法人保険を活用することで、この法人に残した資金を有効活用できるため、そのメリットは十分にあると考えられます。

法人保険に加入する際の注意点

これは、N様にはあまり当てはまりませんが、法人保険を掛け過ぎて、法人が赤字になってしまっているケースもよくお見かけします。法人が赤字になると、新たな借入れが難しくなるなど信用に傷が付いてしまいますので、極力そうならないような掛け金設定にする必要があります。
また、先述の通り、役員の退職金として認められる金額には上限が存在しますので、そこから逆算して役員報酬を見直していく必要もあります。
N様の場合も、退職金が貯まるにしたがって、少しずつ役員報酬を上げていくのが良いと思います。ただし、N様の場合は勤務先の医院からの給与所得と合算する形で、所得税・住民税が課税されることになりますので、一旦はN様の課税所得が1800万円を超えない程度に調整されることをお勧めします。

まとめ

N様の場合は、法人保険を検討されるのに十分なメリットが存在します。
商品やボリュームを比較検討される際には、必ずその出口(受け取りたい退職金の金額やそれにかかる税金等)から逆算して、無理のない範囲内で導入されることをお勧めします。

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