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扶養家族が減るとどのくらい税金は高くなるのか?

K先生
大学生の息子から、今年はアルバイト代が100万円を超えそうだと言われました。もし息子が扶養から外れると、私にはどの程度の影響があるのでしょうか?
K様プロフィール
52歳
眼科勤務医
年収2400万円(給与所得のみ)
奥様(専業主婦)
お子様(21歳・大学2年生)

吉田
息子様のアルバイト収入が年間103万円を超えた場合、K様は約30万円の増税となると思われます。

大学生は特定扶養控除の対象

19歳~22歳のお子様は『特定扶養控除』の対象となり、所得税から63万円、住民税から45万円の所得控除を受けることができます。ただし、その年齢の扶養家族に、103万円超の収入がある場合は、特定扶養控除は使えなくなってしまいます。
K様の場合、今年もご年収が所得税40%、住民税10%の範囲内になる見込みですので、息子様が扶養から外れることで63万円×0.4+45万円×0.1=29.7万円増税になる計算です。

吉田
103万円の壁を少し超えただけで扶養から外れてしまうのは勿体無いため、K様には一度息子様とお話されることをお勧めしました。

奥様も配偶者控除の対象外に

ご相談を受けたのは2018年10月。ちょうどその年の申告より、配偶者控除の適用に年収制限が設けられ、給与所得のみの場合、年収1220万円を超えると配偶者控除の適用を受けられなくなりました。K様の場合も、その1220万円を大きく超えられていたため、前年まで控除されていた、所得税から38万円、住民税から33万円の配偶者控除がなくなり、こちらも18.5万円の増税が見込まれました。

息子様への影響は!?

息子様にとっては以下の3つのポイントが重要になります。

①アルバイト代が103万円以上になると所得税がかかる

103万円のラインを超えると、扶養から外れるだけではなく、息子様も所得税を負担する必要が出てきます。また、住民税の基礎控除は35万円であるため、年収が100万円程度になると住民税の支払い義務も発生します。(市区町村によって若干の差がありますので、ご不明点はお住まいの市区町村にお問い合わせください)

②130万円以上稼ぐと社会保険料を自分で支払う必要が出てくる

アルバイトの収入が130万円未満であれば、息子様は引き続きK様の社会保険の扶養家族となることができますが、それを超えてしまうとご自身で、健康保険料や年金保険料も負担しなければならなくなります。例えば年収150万円であれば、社会保険料の負担は合計で年間20万円程度と考えられますので、多く稼いでも手元に残る金額が減ってしまう可能性も考えられます。

③勤労学生の適用を申請するという選択肢

勤労学生の適用を受けることができれば、アルバイト収入が130万円以下であれば所得税が非課税に、126万円以下であれば住民税も非課税になります。この制度は、年末調整もしくは確定申告時に手続きすることで適用をうけることができます。ただし、勤労学生の適用を受けるということは、親の扶養から外れるということを意味しますので、ご家族で一度話し合われて慎重に検討されることをお勧めします。

早めの税金対策が必須

息子様が特定扶養控除の対象となるのは、22歳までという年齢制限があるため、2年後の申告時にはどちらにせよ控除できる金額は減ります。K先生には、所得控除が減るこの機会に、他に適用を受けることのできる税制優遇はないか検討を始められることをお勧めし、確定拠出年金とつみたてNISAを始めたとの報告をいただきました。

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