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勤務医が不動産投資を行うメリット・デメリット

T先生
勤務医の知人で不動産投資をしている人が多いのですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

 

 

 

T様プロフィール
38歳
精神科(市中病院勤務)
年収1500万円

吉田
T先生の周りにいらっしゃる方の場合、おそらく税金対策や資産収入を目的として不動産投資されている方が多いのではないでしょうか。

「節税のために不動産を買いませんか?」という不動産会社からの営業を受けられたことのある方も多くいらっしゃるかと思いますが、節税目的で不動産を保有するのであれば事前に押さえておくべき注意点が存在します。

今回は、不動産投資で得られる3つのメリットと2つの注意点についてお伝えします。

メリット①資産収入を得られる

不動産投資の魅力は、不労所得の代表格とも言われる家賃収入の存在でしょう。
ローンの支払いが終われば年金代わりになるため、勤労収入とリタイア後の収入にギャップの大きい医師の方が、将来、リタイアした後の年金代わりとしてお持ちになっているケースが多くあります。
預貯金や個人年金保険などと比べて、月々の支出が少なく、比較的関与度も少なめで運用できることが多いため、T様くらいお若く、まとまった金額を投資に回すことが難しい方に人気の手法です。

メリット②経費枠ができる

法人をつくると、経費枠ができるように、投資用不動産を持つことでも、不動産事業の中で一定の経費を計上することが認められています。例えば、物件を見に行くための交通費・宿泊費、不動産投資について勉強するための書籍費・セミナー代などを不動産賃貸業の経費にされている方は多くいらっしゃいます。
不動産の営業をしている人の中には、プライベートの旅行でも飲食代でもなんでも経費にして良いように語る人もいますが、不動産投資と関係ない費用を経費にすることで、勤務医の方でも税務調査に入られて追徴税を課されたという話も聞きます。専門家に助言をもらいながら、適切に経費計上するようにしましょう。

メリット③保険代わりにもなる

一般的に、1億円以上する一棟マンションや、かなり古くて融資が付かない物件などの例外を除くと、投資用不動産は団体信用生命保険(通称:団信)付きで購入することができるため、ご自身に万が一のことがあった場合には、ローン残高はゼロになり、家賃収入を遺されたご家族の生活費に充てることが可能になります。最近では、ガンと診断されたらローン残高がゼロになる保険商品など、死亡時以外にも保障効果を得られるものも出てきています。
つまり、ローンに付随する団信を保険代わりと考えることで、不要な保険をやめることもできるわけです。医師の方の中には多額の保険に加入されている方も多くいらっしゃるかと思いますので、保険の見直しと一緒に不動産投資を考えてみるのもお勧めです。

注意点①所得税の節税効果は限定的

現行の減価償却に関するルールの下では、減価償却費という名のみなし経費を一定期間多く計上することは難しくなっているため、実際の手出しを大きく上回る程の所得税の節税効果は期待できません。一方で、相続税評価額は、現金として保有する場合の半分以下まで圧縮できる場合も多くあるため、相続税対策には非常に有効であると考えられています。
いまだに、不動産で節税ができるというセールストークを用いる不動産会社もあると聞きますが、税務処理のルールに変更があったこともあり、所得税の節税効果のみを狙って不動産投資を始めると、こんなはずではなかったと感じられてしまうケースも少なくありません。他のメリット・デメリットも理解した上で総合的な投資判断をすることが大切です。

注意点②空室リスクや価格変動リスクがある

不動産投資は一定のリスクを伴います。
例えば、空室は一定期間毎に出ますので、空室が出た際の一時的な収支の悪化には予め備えておく必要がありますし、不動産は実物資産ですので経年劣化を伴います。家賃の下落や空室をないものとしたシミュレーション資料を、ある不動産会社より営業を受けられていた先生に見せていただいたこともありますが、いまだにそれらのリスクを無視して提案が行っている不動産会社(もしくはその営業)も一定数いるようです。
不動産投資を検討される場合には、一定の空室や家賃下落、修繕費等の負担があることを考慮した投資・運用計画を立て、検討されることをお勧めします。

不動産は買って終わりではない

よく売ってその後のフォローがない不動産会社もあると聞きますが、不動産は買って終わりではなく、その後の運用方法によって、どの程度メリットを享受できるかが変わってきます。目先の節税や、現時点での利回りばかりに目を向けるのではなく、包括的、長期的目線でそのメリット・デメリットを見極めてください。

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