貯金をしていてもお金が増えないため、何か投資を始めたいという人が増えています。しかし、投資に関しては今まで学ぶ機会がなかったため、何から始めたら良いのかわからないという人も多くいるようです。そこで今回は、忙しい医師・歯科医師が取り組みやすい初心者向けの投資について、勤務医のT先生の事例を基に解説しましょう。
しかし、どの銘柄を選べば良いのかがわからず、忙しいこともあり、放置してしまっている状態です。
まずは、リスクの低い投資から始めたいのですが、どれがリスクが低いのかもよくわかりません。
そんな私にお勧めの投資はないでしょうか?
循環器内科 勤務医
独身
投資可能額:月10万円まで
そんな中で、比較的初心者の方にお勧めできるのがインデックス投資です。
インデックス投資とはどのような投資なのか?そのメリットやリスクについてお伝えしましょう!
投資におけるリスクとは?
投資におけるリスクとは、値動きやリターンの幅を意味し、値動きが激しいものがリスクが高い投資に当たります。
リスクが高い投資=危険と思ってしまいがちですが、リスクが低い投資=安全というわけではありません。そもそも、リスクのない投資は存在せず、値動きの少ない商品がリスクが低いと言われているだけです。
そんな大前提の中、比較的リスクが低く、手間もかからないため、投資初心者の方でも取り組みやすいという理由で、インデックス投資をお勧めしています。
インデックス投資とは?
投資信託(ファンド)は大きく分けてインデックスファンドとアクティブファンドに分けられます。
インデックスファンドとは、日経平均やTOPIX、NYダウなどニュース等でも報じられるような経済指標に連動して値段が上がり下がりするタイプのファンド(投資信託)で、アクティブファンドとは、その経済指標を上回るように投資のプロ(ファンドマネージャー)が運用を行うファンドを指します。人の手がかかっている分手数料が高いのもアクティブファンドの特徴です。
このインデックスファンドを購入することをインデックス投資と言います。
インデックス投資のメリットとは?
手数料が安い
インデックス投資のメリットとして、手数料の安さが挙げられます。
先述のように、インデックスファンドは、指数に連動して価格が上下するため、ファンドマネージャーが運用を行うアクティブファンドと比べて手数料が数%程度安いのです。
アクティブファンドよりも運用実績が良いインデックスファンドが多い
プロが運用してくれるのには、それ相応のメリットがあると感じる方もいらっしゃるでしょうが、実は、S&P500などの市場平均より運用実績が悪いファンドの方が圧倒的に多いと言われています。
例えば、1994年~2013年の20年間でS&P500が年率9.2%で上昇した一方で、株式投資信託の上昇率は年率8.36%でした。また、10年間の運用実績で比較すると約70%のプロの投資家(ファンドマネージャー)が、20年間で見ると、80%ものファンドマネージャーが運用成績で市場平均に負けているというデータも存在しています。
避けた方が良い投資信託とは?
インデックスファンドをお勧めするのとは対照的に、あまりお勧めできないファンドや投資信託も存在します。
まず、あまりお勧めできないのは、手数料が高い投資信託です。
例えば、購入時にかかる手数料や、持っている期間ずっとかかる手数料など、合計すると3%以上の手数料がかかる投資信託も少なくありませんが、全世界の金融商品の平均利回りが4~6%と言われているため、手数料を聞引かれると利益のほとんど残らないことも珍しくないためです。(マイナスになることもあります)
そんな中でも特に避けた方が良いのは、テーマ型の投資信託です。最近であればAI関連銘柄やWITHコロナ銘柄など話題の銘柄を集めたテーマ型投資信託が登場していますが、これらも手数料がかなり高く設定されていることの多い投資信託の一種です。さらに、新しい商品のため運用実績がないこと、そして、今話題のテーマであるということは、旬が過ぎると運用実績が低迷してしまうリスクも高いという理由で、特に初心者の方にはお勧めしていません。
忙しい人には手間のかからない投資方法がお勧め!
特に医師のように本業で大きな収入を得られる人の場合、本業に勝るほどの利益が得られる投資はありません。
医業で収入を得ることが最も確実かつ効率が良いため、どんなにリスクが低いと言われている投資であっても、本業に支障が出てしまっては本末転倒です。
本業が忙しいという方は、できる限り、放っておいても大丈夫な投資から始められることをお勧めします。
投資対象と投資する時期を分散しリスクを最小限に抑えよう
投資のリスクを減らすためには、できる限りリスクが異なる商品に分散して投資をした方が良いと言われていますが、投資にあまり馴染みのない方の場合、それぞれの金融商品にどのようなリスクがあり、それぞれがどのような値動きをするのかがわからないという方は、投資信託のような商品に投資することで投資対象を分散させるのがお勧めです。
更に、毎月同じ金額を積み立てることで購入時期も分散させることができれば、取得単価を均すことができるため、長期的に投資を続ければ、勝てる可能性が高くなるのです。
公的な優遇制度に確定拠出年金やつみたてNISAなど、インデックスファンドを長期積み立てするのに最適な制度もありますので、投資初心者の方は、まずはこれら2つの制度から始められることをお勧めします。
T先生の場合も、確定拠出年金を始められたとのことでしたので、S&P500やNYダウなど主要な指数に連動するインデックスファンドを選んで、積立投資を始められることをお勧めしました。後日T先生から、投資に興味が出てきたので、つみたてNISAも始めてみましたとのご報告がありました。