アメリカの投資用不動産を使って節税ができるというのは本当か?

M先生
友人がアメリカ・テキサスの不動産を節税目的で購入したようなのですが、どのような仕組みの商品なのでしょうか?また、どんなリスクが考えられますか?
M様プロフィール
51歳
美容外科医
年収約3000万円

吉田
テキサスの不動産ということだけでは、細かい内容までは分かりかねますが、アメリカの不動産を活用した一般的な節税スキームは以下のようなものです。

所得税の節税に向く不動産の特徴

①短期的に償却できる物件

不動産は構造によって、木造は22年、RC造は47年と耐用年数が決まっています。この残存年数が少なければ少ないほど、短期で減価償却費を計上することが可能になります。
例えば、築25年の木造不動産であれば、耐用年数を過ぎていますので、法定耐用年数(22年)×0.2=4年(小数点以下きり捨て)で償却が可能です。細かい計算は割愛しますが、例えば、建物価格が2000万円、築22年超の物件であれば、年間500万円ずつ減価償却費を計上することができ、税率50%の方であれば、年間250万円の節税効果が見込めます。

②物件価格のうち建物価格の占める割合が高い物件

物件価格のうち、土地は経年劣化しないため、土地の価格は減価償却の対象にはなりません。つまり、同じ物件価格であっても、建物価格の割合が高い物件の方が、節税効果が高くなるのです。

アメリカ不動産が所得税の節税に向く理由

①中古物件の価格、流通量が安定している

日本に比べて、新築物件の開発許可が下りにくいこともあり、アメリカの中古市場は価格、流通量共に安定していると言われています。そのため、償却による節税効果を得た後に再度売却するというのが、アメリカ不動産を活用した節税の王道パターンです。

②建物の価値を高く評価する傾向がある

アメリカは日本に比べて国土が広いため、比較的建物価格の割合が高くなっています。そのため、都市部にアクセスの良い立地や人気の観光地でも、建物価格が8割程度の物件が見つかると聞きます。

アメリカの不動産投資のリスクとは

①遠方であるため気軽に見に行けない

購入時や何らかのトラブルが起こった際に、日本国内の物件であればご自身の目で見て判断される方もいらっしゃいますが、海外の物件ではなかなかそうも行きません。残念ながら、日本人を騙す業者が存在するのも事実ですし、実際の物件と提案を受けた写真とに大きな乖離があったというお話も聞いたことがあります。国内の投資以上に、何か問題が起こった際の対応など賃貸業全般を業者に一任する形になることが多いため、信頼できる相手かどうかの見極めが重要となります。

②想定する価格で売れない可能性もある

アメリカ不動産を用いた節税スキームは、長期保有を前提とするのではなく、償却が終わり次第、購入後5~7年程度で売却するという出口を想定していることが一般的です。
いくつかアメリカの不動産を提案する企業の提案書をクライアント様から見せていただいたことがありますが、中には、経年劣化による価値の下落を一切想定せず、購入価格と同額で売却できる前提でシミュレーションされているものも多くありました。
中古市場が安定しているとはいえ、価格が下がったり、想定しているタイミングで売れなかったり、途中で空室が発生することも十分に考えられます。提案された内容を鵜呑みにせず、納得のいく出口を画けるかどうか、いくらまでであれば値下がりしたとしても節税効果が勝つのかなども併せてシミュレーションを行い検討するといった一手間が、リスクを抑えることに繋がります。

まとめ

不動産を活用して所得税の節税を行うには、いかに短期間で大きく償却を出せるかが鍵となります。アメリカの不動産には、日本国内の不動産に比べて、その条件を満たすものが多く、所得税の節税に向く傾向がありますが、その一方で、日本国内の不動産が用いられることの多い相続税対策には向きにくいといった特徴もあります。
これは海外の不動産投資に限った話ではありませんが、何のためにそれに投資するのかという目的と、その目的を達成する出口が画けるかどうかを事前に見極めた上で投資を始めてください。

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